読書感想文

さて、ぼくは割りと最近本をよく読みます。
好きな作家は村上春樹北村薫恩田陸あたりと致しましょう(?)
もちろん、ほかにも好きな作品はありますが、それらは順を追って紹介します。


作品の解説に参ります。主観的で参考にならないかもしれませんが、別にプロではないので許してやってください。


第一回 村上春樹
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

こちらは最近まで一番好きだった作品です。話自体は「世界の終り」と「ハードボイルドワンダーランド」の全く趣の異なる二つのパートに分かれております。「世界の終り」は壁に囲まれた世界で、主人公の『僕』が人々の記憶を司る図書館で働く(と言っても御幣がないですかね?)ファンタジックな感じです。そして、「ハードボイルドワンダーランド」の方は、その名の通り近未来の世界で、主人公の『組織』に属する『私』が『計算士』という敵と戦うハードボイルドな展開です。パーフェクトな太った女の子が出てきます。それらが次第に交差していくことになるわけですが、その息もつかせない後半の展開に、惹きつけられる事請け合いでしょう。キーワードは『森』。『森』については後の「海辺のカフカ」におも出てくるので覚えておきましょう。ぼくは「ハードボイルドワンダーランド」が好きですが、さて、皆さんはどうでしょうか?
ねじまき鳥クロニクル
つい昨日読み終わったばかりのほやほやです。全三部に分かれており、第一部、二部とページ数が増えていきます。そして第三部に至ってはそれだけで500ページほどあります。かなり敷居は高いと言えるでしょう。作品自体は世界のねじを巻く『ねじまき鳥』を中心に主人公の『僕』が長い長い…何と言っていいかわかりません(笑)…をするというものです。途中かなりきついシーンもあります。恐らく、ぼくがかつて読んだどの本よりも読み進めるのが辛いと思った本です。もちろん、さくさく読みましたが、一部に本当にきついシーンがあるのです。それはあたかも、自分が体験しているような気持ちにさせられ、時には目を逸らしたくなり、時には『待つ』ことの辛さにじっとり汗をかくこともありました。そして、最後まで読んだ人にだけこの気持ちは解消することができます。途中で読むのを断念してしまった人は呪いにでもかかったようになること請け合いです。さて、ストーリーに全く触れられていませんね。こりゃひどい(笑)ここまでで読む気になれば凄いです。キーワードは『井戸(イド)』です。猫がいなくなるところから始まり(正確には違いますが)、『ねじまき鳥』はいつかねじを巻くのを止めてしまいます。『ねじまき鳥』がねじを巻かなければ世界は少しずつ緩んでいきます。それに気付いているのは『僕』だけなのです。「今度はどこにも逃げないよ」「ぼくは君を連れて帰る」
海辺のカフカ
こちらもつい最近読みました。ぼくの一番好きな本です。ベストです。これ以上の作品にはかつて出会ったことがありません。最近文庫化されたということで皆さんの目に触れる機会もだいぶ増えたのではないでしょうか。主人公の15歳の『僕=田村カフカ』は世界一のタフな15歳にならなくてはなりません。田村君はそのために体を鍛え、勉強に励み、来るときに備えます。しかし、タフさというのは訓練で鍛えられるものもあれば、経験でしか身に付かないものもあります。田村君は夜行バスで一人の女性『さくら』と出会います。高松に着くと甲村記念図書館で大島さんと佐伯さんと出会います。田村君に適切なアドバイスを送るカラスと呼ばれる少年からも目が放せません。一方、物語は中野区に移ります。猫の言葉を話せる文字の読めない老人ナカタさんは現在都知事からの障害者手当てによる補助を受けて暮らしています。副業として猫の言葉を話せることから、迷子の猫探しもしています。ナカタさんはカラッポです。戦時中に森の中で倒れて意識を失ってから文字も読めなくなりました。ある日ナカタさんは猫を探していて…とこんな感じです。かなり、導入部分だけですが、既に付いてこれない方も多いかと思います。まあ、蛇足ですね。とても良い作品なので、一読することをお勧めします。まず、間違いなく読まないといけない種類の本だと思います。


そのほかにも「ノルウェイの森」という作品があります。これはかなり有名ですが最初に読むには結構きついかと思います。非常に重みのある作品になっています。続いて、「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」ですが、これもまた素晴らしい作品です。
長編はきついという方には、中篇「アフターダーク」「スプートニクの恋人」「国境の南、太陽の西」があります。中篇でもきついわという人には短編集の「パン屋再襲撃」「神の子どもたちはみな踊る」がお勧めです。
この機会に村上春樹と触れ合ってくださいね。