不定期連載第二部  彼氏彼女の事情

第一話  空も飛べるはず

誰かと付き合うときあなたならどんな理由が要りますか?
性格とか…、容姿とか、お金?とか。
これから出てくる二人にはどんな理由があればよかったんだろう…


二人が初めて出会ったのは大学二年の春、3対3の合コンでだった。衛(マモル)は男側が一人ドタキャンしたため補欠要員で参加することになった。容姿はおせいじにもかっこいいとは言えず、あだ名はピグモンやらガラモンやらとつけられる始末。完全に盛り上げ役だ。女の子との出会いは以前男三人花見に乗じてナンパに行ったものの、誰もつかまらずマチから帰って来る途中石川門の下で酔っ払っている女三人組を発見、声をかけて知り合ったのだ。彼女たちは加賀のほうの看護学校に通う二年生だった。今日はその後の初めての飲み会、女の子達が待ち合わせのスクランブルに現れる。!!!!向こうも三人だったが一人明らかにオーラの違う子が、へたなグラビア、バラドルなんか目じゃないほど可愛い子がいた。奥菜めぐみをかわいくした感じだった。(ファンのかたすみません)名前は真理(マリ)21歳の大人の綺麗さと可愛さを併せ持つ…。場所は今は無き酔虎伝、男女6人他愛も無い話で盛り上がる、がマモルを除いて男たちの思い(狙い)は一つ、マリにどうアプローチするか。彼女のことや携帯の番号、聞きたいことは山のようにある、しかし…可愛いすぎるっっ!!あまりに可愛いので躊躇してしまう…バカな話で盛りながらも男たちは何処か悶々として時は流れ解散するとき男の一人がマモルに番号を聞きだすように冗談ぽく促す。そこは三枚目、ノリの良いマモルはこれまた冗談半分でマリに聞く、すると快く番号を教えてくれた。「唯一彼女の携帯を知る男」この称号はマモルをおれたちの中でも特別な存在にした、はじめはうらやましがっていた連中やマモルを使いマリと会おうとするやつらも、マモルを応援するようになっていた。このありえないカップルが成立することで自分たちも勇気がもらえるような気がした。マモルもその気がないわけが無く、おれたちの冷やかしに照れながらもメールや電話を繰り返す日々。マモルの小さな恋が今はじまっていく……。

つづく…